被扶養者

組合員の配偶者や子、また父母など、組合員の収入によって生活している人は、組合員の被扶養者となることができます。被扶養者と認められた人は、短期給付などを受けることができます。

三親等内親族表

被扶養者の範囲

被扶養者として認めれられるのは、「主として組合員の収入によって生計を維持している人」で、下記のいずれかにあてはまる人です。

1.組合員と同居していなくても認められる人(別居の場合は仕送りが必要)

組合員の配偶者(内縁関係を含む)、子、父母、孫、祖父母、兄弟姉妹

2.組合員と同居していなければ認められない人(同居が条件)

  • 1以外の人で三親等以内の親族
  • 組合員の内縁の配偶者の父母および子(配偶者の死亡後も同じ)

扶養認定

以下の事由(括弧内は認定日)に該当し、組合員が主として扶養している事実や、扶養しなければならない事情が確認できた場合、扶養認定が可能となります。

主な扶養認定の事由

  • 組合員の採用(資格取得日)
  • 出生(出生の日)
  • 婚姻(入籍の日)
  • 退職(退職日の翌日)
  • 雇用形態の変更等による収入の減少(収入の減少が確認できる日)
  • 失業給付の受給満了(受給満了日の翌日)
  • 養子縁組(養子縁組の日)
  • 扶養者の変更(場合により異なる)

認定要件

被扶養者の認定を受け続けるには、単に収入額が下記の表の認定限度額内であることだけでなく、生計維持関係があることが必要となります。

生計維持関係があるとは、主として組合員が継続的に将来に向けて生活費の負担をし、それにより生計を維持していることです。

区分 認定限度額
  • 障害厚生年金を受けられる程度の障害を有する者
  • 60歳以上の者
年額180万円未満
月額150,000円未満
日額5,000円未満
上記以外の者 年額130万円未満
月額108,334円未満
日額3,612円未満

認定の申告

被扶養者として認定されるには、共済組合の認定を受けることが必要です。共済被扶養者申告書等の必要書類を所属所共済事務担当課を経由して提出してください。扶養の事由が生じた日から起算して30日以内に届出されない場合や、具体的な事由発生日がない場合は、その届出が受理された日(所属所がその届出を受け付け、所属所長が共済被扶養者申告書に証明した日)が認定日になります。この場合にはその間に生じた病気などについての給付も行われないことになりますので、遅れないように申告をしてください。

被扶養者として認定されないのはこんなとき

  1. 日本国内に住民票がない人または日本国内に住民票があるが、海外で就労していて、日本で全く生活していないなど、明らかに日本での居住実態がない人
    ただし、外国に一時的に留学する学生、外国に赴任する組合員に同行する家族等の一時的な海外渡航をする人については例外として取り扱います。
  2. 共済組合の組合員、健康保険の被保険者または船員保険の被保険者である人、あるいはその被扶養者に認定されている人
  3. 後期高齢者医療制度の被保険者である人
  4. 組合員以外の人が国・地方公共団体・その他(会社等)から扶養手当またはこれに相当する手当を受けている人
  5. 組合員が他の人と共同して扶養しているとき、組合員が主たる扶養義務者でない人
  6. 認定限度額を超える収入がある人
  7. 認定対象者の年間収入が組合員の年間収入の2分の1を超える場合
    ただし、配偶者、18歳未満の子及び学校教育法に規定する学校の学生を除きます。
  8. 認定対象者が複数いる場合で、その年間収入の合計が組合員の年間収入の2分の1を超える場合
    ただし、配偶者、18歳未満の子及び学校教育法に規定する学校の学生を除き、認定対象者の年間収入の合計からも除きます。
  9. 認定対象者の年間収入が組合員の年間収入を世帯員数(組合員+既認定者+認定対象者)で除した額(1人当たりの生計費)を超える場合
    ただし、配偶者、18歳未満の子及び学校教育法に規定する学校の学生を除き、世帯員数からも除きます。
  10.  18歳以上60歳未満の人
    ただし、学校教育法に規定する学校の学生および病気等のため就労能力を失っている人等を除きます。
  11.  法人の役員となっている人
    ただし、常勤役員でないことが確認できた場合には、被扶養者とし審査対象とすることができます。(代表取締役は除く。)

※収入が認定限度額を満たしていても、扶養している実態があると判断できない場合は、認定できません。

※上記10については通常就労可能な年齢にあり、組合員の経済的支援がなくても自立して生活できるとされているため、一般的に認められませんが、組合員が主として扶養している事実や扶養しなければならない事情が確認できたとき、認められる場合があります。

扶養認定上の年間収入推計額

  1. 扶養認定における年間収入は、暦年ごとに収入を算定する所得税法とは異なり、事実の発生した日以降1年間に見込まれる収入を算定することになっています。 ただし、給与収入や家賃収入のように毎月定まった収入がある場合は、年額によらず月額で判断する方が適切であり、実際にも即していると考えられるので、月額が108,334円以上のときは扶養を取り消すことになります。
  2. 扶養認定上の収入とは所得税法上非課税となっている障害年金、遺族年金、恩給、雇用保険法の失業給付等についても収入とし、退職手当や譲渡所得等一時的な収入については収入として含めません。
    また、給与所得控除や青色申告控除等種々の控除のある所得税法上の所得とは異なり、原則として総収入金額を意味します。
  3. 扶養認定において収入とみなされるもの
    1. (1)給与収入(給与、賞与、手当、賃金など)
      勤務開始や雇用条件の変更があったとき、そこから1年間に見込まれる給与総額(保険料等を控除する以前の総収入金額)をいいます。
      なお、所得税法上非課税となる交通費等諸手当も当然含みます。
    2. (2)年金・恩給
      向こう1年間の実支給額をいいます。
    3. (3)利子・配当収入(預貯金利息、配当金、有価証券利息等)
    4. (4)事業収入
      原則総収入金額をいいますが、社会通念上明らかに「必要と認められる経費」に限り、総収入金額から控除することができます。ここでいう「必要と認められる経費」とは、所得税法上でいう必要経費とは異なり、共済組合が必要経費として認めるものに限ります。
    5. (5)不動産収入(土地、家屋の賃貸等による収入)
    6. (6)雑所得(原稿料、講演料等)
    7. (7)雇用保険法に基づく手当
    8. (8)社会保険各法に基づく給付等(傷病手当金、失業給付等)
    9. (9)国又は自治体から支給される手当等(特別障害者手当、在宅重度障害者手当等)
    10. (10)その他組合において、前記(1)~(9)に相当すると判断した収入

被扶養者の扶養取消

被扶養者の認定後、以下の事由(括弧内は取消日)に該当した場合、扶養取消となります。

なお、取消すべき事由が複数あるときは、最初に取消すべき事由が発生した日まで遡ることがあります。

取消の年月によっては、医療費や給与等の一部を返還していただかなければならないことがありますので、遡っての取消とならないよう気をつけてください。

収入額の増加により認定限度額を超えたとき等

  • パートの勤務時間が増えた(雇用形態の変更日/認定限度額を超えた月の初日等)
  • アルバイトを始めた(勤務開始日)
  • 年金を受給することとなった(年金証書に記載の通知日)
    (既に受給中の場合は、あとに受給することとなった年金の年金証書に記載の通知日)
  • 事業を始めた(開業日/確定申告書の受付日)
  • 雇用保険の失業給付である基本手当の日額3,612円以上の受給が開始した
    (雇用保険受給資格者証に記載された支給開始日)
  • 被扶養者が父母、祖父母の場合、夫婦の収入の合算額が増えた
    (夫婦の収入の合算額が合算認定限度年額を超えた日)
  • 年間収入が組合員の収入の2分の1を超えるとき[配偶者、18歳未満の子および学生を除く、例外あり](場合による)

収入額の増加以外

  • 就職したとき(就職日)
  • 離婚したとき(戸籍に記載された離婚日の翌日)
  • 同居要件の被扶養者(義父母、配偶者の子等)と別居したとき(別居の日)
  • 別居している被扶養者への仕送りが確認できなくなったとき(仕送りが確認できなくなった月の初日)
  • 扶養者が変更したとき(場合による)
  • 子が結婚したとき(婚姻日)
  • 死亡したとき(死亡した日の翌日)
  • 国外に居住したとき[海外大学への留学等を除く](場合による)
  • 被扶養者が後期高齢者医療広域連合の障害の認定を受けたとき(認定日)

取消の申告

被扶養者が共済組合の認定基準の要件を欠いたときは、認定取消となります。共済被扶養者申告書等の必要書類に被扶養者証を添えて、所属所共済事務担当課を経由して提出してください。

なお、取消の申告が遅れると医療費や組合員の給与・賞与の一部を返還しなければならないことがありますので、申告は遅延なく手続きしてください。

被扶養者の資格確認

共済組合は、被扶養者として認定されている人について、その資格要件を継続して備えていることを確認するために以下の調査(括弧内は主な提出物)を行っており、組合員のみなさんには自身の被扶養者の認定継続のために共済組合が実施する調査に応じていただくことになります。調査に応じていただけないときは、直近の扶養の状態が確認できた時点まで遡って取消しとなる場合があります。

なお、被扶養者の状況によっては、当該被扶養者にかかる源泉徴収票、確定申告の控え、年金額改定通知書および預貯金通帳の写し等の提出をいただくことがありますので、当該原本を大切に保管ください。

  • 1月…給与収入の確認(被扶養者の給与支払証明書)
  • 2月…事業収入等の確認(確定申告書および収支内訳書等一式(税務署の受付印必須))
  • 3月…認定期限延長の確認(在学証明書等)
  • 7月…資格確認届書の提出(年金額改定通知書および仕送りが確認できる通帳のコピー)

※各調査について、他扶養義務者がいる場合は、他扶養義務者の収入状況についても確認します。

別居をしている被扶養者(大学生を除く)への仕送り

被扶養者の通帳の写しを提出いただき、組合員から対象の被扶養者あてに、【毎月】、【いくら】仕送りを行ったかによって、主たる扶養義務者であるかどうかを確認します。

被扶養者は組合員からの仕送りによって生活をしていることが前提であり、単に被扶養者の口座に振り込まれていれば良いということではありません。このため、同一支店内や同じATM等による入出金のみが記載された通帳は仕送りとは認められません。

※振込人名義が被扶養者の通帳に印字されるよう仕送りを行ってください。

※仕送りの方法は、金融機関への振込(送金)によるものとし、客観的に確認できない手渡しによる方法等は認められません。

その他の届出

被扶養者の届出事項に変更(パート・アルバイトの勤務開始や退職、組合員と同居から別居等)があった場合は、共済被扶養者申告書等の必要書類を所属所共済事務担当課を経由して提出してください。

国民年金第3号被保険者の届出

第3号被保険者とは、公務員や会社員などの国民年金第2号被保険者に扶養されている配偶者(20歳以上60歳未満)のことをいいます。

第3号被保険者である期間は、第1号被保険者とは異なり、保険料を自分で納付する必要はなく、保険料納付済期間として将来の年金額に反映されます。

次のような場合は、所定の届出書を所属所共済事務担当課を経由して提出してください。この届出を忘れると将来、国民年金の受給ができなくなることがありますので、必ずご提出ください。

  • (1)被扶養配偶者の認定を申請するとき
  • (2)被扶養配偶者の収入が基準額以上に増加し、扶養を取消したとき
  • (3)離婚したとき
  • (4)被扶養配偶者が死亡または海外移住(組合員の被扶養配偶者でなくなった場合)したとき
  • (5)被扶養配偶者の「氏名」「生年月日」「性別」の変更、訂正が生じたとき
  • (6)被扶養配偶者の住所が変更となったとき

<参考>
第1号被保険者:自営業者や学生等
第2号被保険者:厚生年金保険に加入している共済組合の組合員(公務員)およびサラリーマン等

国民年金第1号被保険者への切り替え

次の場合は、配偶者本人がその住所地の市区町村役場で切り替えの手続きを必ず行ってください。

  1. 扶養認定が取消しされた場合

    20歳以上60歳未満の被扶養配偶者が扶養取消となったとき、国民年金第3号被保険者の資格も喪失します。配偶者自らが第2号被保険者にならない場合は、国民年金第1号被保険者に該当するため、手続きが必要となります。

  2. 組合員が退職した場合

    組合員が退職後、他の共済組合や厚生年金制度に加入しなければ、被扶養配偶者であった方も国民年金第1号被保険者への切り替えが必要です。配偶者本人が手続きをする必要があります。

  3. 65歳以上の組合員の被扶養配偶者

    65歳以上の組合員は、老齢基礎年金の受給権を有するため、在職中でも第2号被保険者には該当しません。したがってその被扶養配偶者は、20歳以上60歳未満であっても、第3号被保険者となりませんので、組合員が65歳になられた時点で国民年金第1号被保険者への切り替えが必要です。