介護保険制度

介護保険は、介護が必要になったとしても、住み慣れた地域や家庭で自分らしい生活を送れるよう、介護サービスを利用できるようにすることにより、介護が必要となった人とその家族を社会全体で支えていくしくみです。

介護保険のあらまし

保険者(運営主体)

市町村および特別区(東京23区)が運営を行い、国や都道府県も費用の負担や基盤整備などのバックアップをしています。

当共済組合も介護保険料の徴収を行い、介護保険の事業運営に協力しています。

被保険者(対象者)

40歳以上の組合員および被扶養者が、お住まいの市区町村の介護保険の被保険者となり、年齢により以下のように区分されます。共済組合の「被扶養者」に相当する制度はなく、加入者全員が被保険者となります。

第1号被保険者 65歳以上の人
第2号被保険者 40歳以上65歳未満の医療保険加入者(組合員・被扶養者)

※40歳以上の方でも介護保険の適用除外となる場合がありますので、くわしくは所属所共済事務担当課にお問い合わせください。

介護掛金(保険料)

介護掛金(保険料)の額や徴収方法は、被保険者の区分により以下のとおりとなります。

第1号被保険者 市区町村ごとに決められた保険料額が、原則として年金から天引きで徴収されます。
第2号被保険者 短期掛金と同様、標準報酬月額および標準期末手当等の額に介護掛金率を乗じた額が徴収されます。
被扶養者分は、組合員徴収分に織り込まれているため、直接徴収されることはありません。

受けられる介護サービスと負担

介護サービスを受けるには、「要介護認定」の申請をし、どの程度の介護が必要かを判定してもらいます。

判定された要介護度(要支援1・2、要介護1~5)に応じた支給限度額の範囲内でサービスが利用でき、利用者は原則としてサービス費用の1割~3割を自己負担します。

介護サービスの内容

介護保険のサービスには、以下のように「居宅サービス」「施設サービス」「地域密着型サービス」があります。

居宅サービス
  • 訪問介護、訪問看護、訪問入浴介護など、自宅等を訪問してもらうサービス
  • 通所介護、通所リハビリテーション、短期入所生活介護など、施設を利用するサービス
  • 福祉用具貸与、福祉用具購入費の支給、住宅改修費の支給など、介護をする環境を整えるサービス
施設サービス 「要介護」と判定された人のみが利用できます(原則として特別養護老人ホームへの新規入所者は要介護3以上の人に限定されます)。
  • 介護老人福祉施設(特別養護老人ホーム)
  • 介護老人保健施設(老人保健施設)など
地域密着型サービス 身近な地域で、地域の特性に応じた多様で柔軟なサービスが受けられます。
市区町村単位に事業が運営され、原則として所在市区町村の住民が利用できます。
  • 小規模多機能型居宅介護
  • 認知症高齢者グループホーム
  • 認知症対応型デイサービス
  • 夜間対応型訪問介護
  • 地域密着型介護老人福祉施設入所者生活介護など

第2号被保険者が介護サービスを受けられる特定疾病

40歳以上65歳未満の第2号被保険者は、以下の「特定疾病」に該当する場合にのみ、介護サービスを受けることができます。65歳以上の第1号被保険者は、特定疾病の該当の有無は問われません。

(1)初老期の認知症 (9)慢性閉塞性肺疾患
(2)脳血管疾患 (10)両側の膝関節または股関節に著しい変形を伴う変形性関節症
(3)筋萎縮性側索硬化症(ALS) (11)関節リウマチ
(4)パーキンソン病関連疾患 (12)後縦靭帯骨化症
(5)脊髄小脳変性症 (13)脊柱管狭窄症
(6)多系統萎縮症 (14)骨折を伴う骨粗しょう症
(7)糖尿病性腎症、糖尿病性網膜症、糖尿病性神経障害 (15)早老症
(8)閉塞性動脈硬化症 (16)末期がん

利用者負担

介護サービスを利用したときは、利用者の負担能力に応じて、かかった費用の1割(所得の高い方は2割または3割)を自己負担します。自分の負担割合は、要支援・要介護の認定者に対して交付される「介護保険負担割合証」で確認することができます。

なお、第2号被保険者、市町村民税非課税者、生活保護受給者は、1割負担となります。

また、1か月の介護サービス自己負担額が一定額を超えた場合、超えた額が払い戻される制度もあります。